* 宙組 / 和央ようか・花總まり / 樹里咲穂・安蘭けい / 宝塚大劇場 / 2004-06
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「オペラ座の怪人」宝塚版。ストーリーは…うむ、こんなものかも(もごもご) 和央さんが絵のように美しいです(ホレボレ) 花總さんの天使の歌声に魅せられます。2幕の和央さん・樹里さんの場面は滝のように泣けます。初嶺さんの初・ラブシーンも。
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「オペラ座の怪人」の原作やらほかの舞台やら映画やら…は全く見たことがありません。仮面をかぶっているらしい…ということで「13日の金曜日」と混同しておりました(ジェイソン?)
宙組でやる、と知ってまず思ったのは「チェーンソーを構えた和央ようか」
…あほですな。
そんなホラー(?)では無いにしても…
平気でホイホイ人を殺してしまう主人公。人攫いまでするし。
かなり物騒なお話でございました。
エリック(ファントム) (和央さん)
オペラ座の地下都市(?)に住むお方。お顔がこの世のものではない…と実の父に言わしめるほど醜いのだそうです。ですので、常に仮面を付けています。そんな姿なので、人前に堂々と出ることができません。
近づく者は皆殺し。
自分は何故この世に生まれてきたのか…。絶望の中で生きているのです。
そのとき耳にした、天使のような歌声。
エリックは、その歌声に生きる希望を見出します。
幼い頃に亡くなった自分の母親の面影を感じたのです。
歌声の持ち主のクリスティーヌという少女に歌のレッスンをし、オペラ座のスターにすることがエリックの夢となりました。
デビュー時のお衣装までコーディネート。
スタイリスト業まで請け負っちゃいます。
イロイロあってクリスティーヌは主役の座を射止めますが、陰謀にあって失敗してしまいます。
怒り狂ったエリックは、クリスティーヌを連れ去ってしまいます。
クリスティーヌとの穏やかなひとときを過ごし、心満たされるエリック。クリスティーヌの「顔を見せて」というお願いを必死に固辞しますが、彼女のこころとろかすような歌声についその気になって…じゃなくて…えーと…彼女なら信じられる、と感じたエリックは、ついに仮面をはずします。
しかし、エリックの素顔を見たクリスティーヌは、耐えられず逃げ出してしまいます。衝撃のあまり絶叫するエリック。
エリックはクリスティーヌを追って地上に出てきますが、大勢の警備隊に阻まれキズを負ってしまいます。
助けてくれたのはキャリエールです。
キャリエールとの語らいの場面。
キャリエールはエリックの父親でしたが、今ままで告げられずにいたのです。
初めてそのことを聞き、「そう思っていた…」と答えるエリック。
涙なしには見られない場面です(むしろ滝のように落涙)
エリックは父に言います。「お前の手で眠らせてくれ」と。
再び巡回してきた警備隊につかまってしまったエリック。
「約束しただろ…! お願いだ…!」
キャリエールに撃たれたエリックに駆け寄るクリスティーヌ。
仮面の下にくちづけを受け、エリックは微笑みながら息を引き取ります。
ずっと地下にこもっているからか…かなり短絡的な思考をお持ちです。
地下には入るな! 近づく者は皆殺し!
自慢は仮面コレクションです。部屋のあちこちに飾ってあります。自分でもつけて楽しみます。仮面おたく…とか言ったら叱られるだろうか。
結構洗練されたセンスをお持ちなので、衣装はいつもばっちりきめています。
しかし彼は何して食っているのでしょうねー。
生活費は一体どこから出ているのかしら。
従者さんたちが稼いで来るのかな(ホストクラブとかで)(あわわわ)
部屋にお母さんの肖像画が飾ってあるのですけど…。
何も知らない私は
「クリスティーヌの肖像画まで… ストーキングやりすぎなんじゃないの」
などと思いつつ見ておりました。すいません。
役はともかくとして、とにかくステキなんです。和央さん…。
顔の半分を隠しているのが勿体ないなぁ…。
隠されているほうがエロティックだという話もありますが(全然意味合いが違いますよ)
一人称「僕」が良い… 僕…ぼく…ボク…boku…
メイクが何だか違いますね。怪人っぽくしているのでしょうか(?)
しかしこういう貴族風?なお衣装似合いますな~。何でも似合ってしまうのですけどね。
クリスティーヌ(花總さん)
町で歌っているところをナンパされ、オペラ座で働くことになったお嬢さん。
新支配人の妻カルロッタ(属性:いじわる)のせいで、歌のレッスンを受けさせてもらうつもりが衣装係にされてしまったのですが、こっそり歌っているところをエリックにサーチされ(ピピピ…)、歌のレッスンを受けることになります。
クリスティーヌの歌はみるみる上達し、パーティーで披露することに。
最初は緊張してか細い声しか出せなかったクリスティーヌですが、どこからか聞こえてきた(他の人には聞こえなかったのかしら)エリックの歌声に勇気付けられ、デビューは大成功に終わります。
カルロッタのツルの一声で、次回作の主役を演じることに決まりました。
緊張してドキドキしっぱなしのところに、カルロッタが怪しげな飲み物を持ってやってきます。それは声が出なくなる毒薬だったのですが、クリスティーヌは素直な良い子なので、「緊張がほぐれるわよ~」という言葉を信じて飲んでしまいます。
案の定、本番中に声が出なくなってしまうクリスティーヌ…。
事情を知ったエリックに、クリスティーヌは連れ去られてしまいます。
(いつの間にかクリスティーヌは意識を失っています)
地下のエリックの部屋にいるところに、キャリエールがやってきます。
「ここから逃げ出すんだ」と言われますが「私には彼の心がわかっています」(だったかな)と拒否するのです。
何だ何だ…ストックホルム症候群かしら
そしてキャリエールからエリックの生い立ちを聞いたクリスティーヌは、自分ならエリックの心の傷を癒すことが出来ると…思ったのかもしれません。
エリックを説得して素顔を見せてもらい… 想像以上の醜さに、耐え切れず大声をあげて逃げ出してしまうのです。
ひー なんて無責任な(もごもご)
でもあとから「なんてひどい仕打ちをしてしまったのかしら」と後悔しどおしのクリスティーヌ… やっと再会できましたが…(省略)
エリックを想いつつ、クリスティーヌは歌い続けるのでした。
かわえーなぁ…
天使の歌声、と劇中で言われてますが、まさにそんな感じでした。
あんな怪しげな部屋に連れてこられてよく平気でいられるなぁ…とか
わりにずぶといお嬢さんなのかも。なんちゃって…あわわ…
キャリエール(樹里さん)
オペラ座の支配人。だった人。
何故かエリックにアゴで使われちゃっているのだ…
何だ? と思っていたら、彼には負い目があったのですね。
昔エリックの母ベラドーヴァと恋におちて、妊娠までさせてしまったが、でも不倫の恋だったために結婚することができなかった…という過去。
ベラドーヴァは絶望して麻薬に頼るようになってしまい…
生まれた男の子は見ていられないほど醜い…
なんだか勝手な男ですが(ハッキリ言い過ぎましたか) でも彼なりに息子を見守ってきたのです。
さすが樹里さん…という感じで。
心情の表現、包容力… この作品がここまでの出来になったのは、樹里さんあってこそだなぁと。
宙組というと、和央さん花總さんのラブラブっぷりに目がいってしまいがちですが(私が) 終盤の銀橋場面のためだけにでも、何度でも見たいわ~と思ったのでした。
シャンドン伯爵(安蘭さん)
お金持ち。オペラ座のパトロンさん。
町で歌うクリスティーヌをナンパしたお方。
エリックとクリスティーヌの仲介人とも言えるかもしれません…。
女の子皆大好き、な方なのですが、クリスティーヌには本気で惚れこんでしまったようです。あまり報われず、かわいそうでもあり。
安蘭さんと花總さんの並びが良かったですね~ 何となく同期オーラ。
役的には…少々役不足だったかしらね。うむむ。
モテモテくんなのに、それらしい場面があまりなくて残念。囲まれてうはうは~なところも見てみたかったですな。
アラン・ショレ&カルロッタ(鈴鹿さん・出雲さん)
オペラ座の新支配人とその妻。
ダンナ、尻にしかれすぎ…(笑)
絵づらからして、しかれてるムードぷんぷんでとてもよろしかったです。
カルロッタは絵に描いたような憎まれ役でございました。
メインこれだけ…。あらら少ないですね…。
従者の方々
エリザベートの黒天使…みたいなものなのでしょうか。ファントムのお付き。
ことあるごとにフラフラと登場するのですが、彼らは人間なのでしょうか…。
トートと違ってファントムは生身の人間なので、従者さんたちもあまり抽象的な感じがしないのですよね。
何して生活しているのだろうか…やっぱりホストクラブでバイト?
エリックの美しさに惹かれて集まってきたのでしょうか…
エリックは一体どこで人材募集したのだ…
彼らも仮面おたく…ということはないみたいですが。
カルロッタの歌声で苦しむ姿がステキでございました(笑)
まーそれはさておき、皆さん格好良いのですよ。
髪型に何やらこだわりが感じられるのも良い。
印象深かったのは和涼華さん。制服(?)を着てシャキッときめる姿がもう。銀橋でシャンドン伯爵にやられるお姿もステキでございました。
横顔が…前髪効果も手伝って更にステキに見える…
劇団員の方々
とにかくたくさんいる劇団員。
回数見れば小芝居など楽しめるのだと思いますが、あまり今回は注目できませんでした。残念。
印象的だったのは、遼河さんのうさみみ、悠未さんのぴろり前髪、でしょうか。
フィナーレ。
安蘭さんを中心に…確か青い衣装(あやふや)
羽がつらの彩乃さん、美羽さん、花影さんが出て来てロケット。
ひー彩乃さんがセンターですよ。かわいいわ…(めろめろ)
その後黒エンビで…和央さんセンター。お顔の模様は消えています。髪型は長いままです。
赤いお衣装の花總さん、両わきに彩乃さんと美羽さん。
樹里さん、安蘭さんを中心に、沢山出て来て明るくダンス。
紫のお衣装の和央さん、花總さんのデュエットダンス。
パレードに続きます。
彩乃さんがエトワール。赤い総スパンのキラキラしたお衣装です。ろうそくをかたどったような手荷物…じゃなくて何と言うのでしたっけ…。飾り。を、手に持っています。
美羽さんを中心に、遼河さん、悠未さん。
安蘭さん、樹里さん、花總さん、和央さん。和央さんは羽のついた仮面を手に持っています。
最後、彩乃さんがお衣装をかえているのに気付かず… アクシデントで出てこられなくなったのか! などと思って必死で探してしまいました。ちゃんといらっしゃいました…黄色いお衣装で。
何というか…。
良くできた話とは思うのですけど。
主役(ファントム)にイマイチ神秘性というか幻想的なイメージというか抽象さというか…を感じないので…。リアルなのですよね…どこか。いえ、リアルでも良いのですけど、設定となんだかかみ合ってないというか…、う~うまく説明できませんが。どうものめりこめなかった、というのが正直なところでございます。気に入らん奴は殺す!というのもね…。顔がみにくい…とか…。まーお話なのですけど。
生身の人間だし…。コンプレックスに悩む若者というイメージ。
そうか…生々しかったのかもしれません。
す、すいません…。
原作読めば、また違った見方が出来るのかもしれませんな。
↑というより、こういう見方をしてしまってはいけないのでしょうな。
回想部分とうまくつながってないのかも。自分の中で。
過去のトラウマ部分や母親の愛情が云々部分がもう少し強く伝わっていれば(というか私がしっかり理解していれば)、もっとズボッといけたような。
なんだか否定的とも取れるようなこと↑を書いてしまいましたが、そんなことはなく相当はまっております。
あまり深く考えずに楽しむ、という方法を会得しておりますので。…フォローになってないですな。設定はさておき心理描写部分?は良くできているなぁ、と思うのと、ビジュアルが美しいのと、2幕がとにかく良いのと、初嶺さんの姿が見られるだけで嬉しいのと(しかも今回かなり活躍されているし)…あとはやはり、和央さんと花總さんですね。
東宝が楽しみだわぁ~