* 雪組 / 朝海ひかる・舞風りら / 日本青年館 / 2004-08
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ギャングの世界はようわかりません
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(観劇メモ)
ギャングとマフィアってどう違うんですか……
と考えさせられる作品でした。
というのは冗談で。
主役2人の友情を軸に展開する恋愛物語だそうですが、この物語の軸って跡継ぎ抗争なのではないだろうか。
友情? 恋愛? うんー まあー あるにはあるのだけど、……かといってその跡継ぎ抗争もなんだか中途半端で平たく言えば底が浅(以下省略)
はっ しまった甘口をめざしていたのでした
物語の展開をご説明しましょう。
マイケルはギャングだ
↓
あるきっかけでエリー(舞風さん)に出会いひと目ぼれ
↓
いろいろあってギャングやめたくなる
↓
抗争相手と相撃ち
↓
終わり
……終わっちゃった…。
いえその「あるきっかけ」や「いろいろあって」の部分でドラマがあるのですよ…
個々感想。
マイケル(ギャング) (朝海さん)
ギャングです。ギャング…。部下はへなちょこばっかりですが、慕われていてギャング団のボスからの信頼も厚いです。あるきっかけで、確執相手であるボスの息子のロッキー(凰稀さん)に絡まれるエリー(舞風さん)を助けることになります。その時点で既にエリーに惹かれていたのですが。
その後幼馴染みのスティーブ(壮さん)もエリーに惹かれていることを知り、自分は身を引こうとしますが、スティーブのやけくそじみた説得により、ギャングをやめてエリーと一緒に街を出る決意をします。が、何故か(本当に何故なのかわからない)エリーに執着するロッキーと争って相撃ちとなり、息を引き取ります。最後エリーに本心を伝えることができたのが救いです。
えーと、コムちゃんスーツもの…。なんだか良く見ている気がするが…。これは私の勝手なイメージなのですが、コムちゃんに「大人の男の哀愁」な役をやらせるのって、本当にあてがきなのかな~と思ってしまうのですよ。私がまだ掴んでいないだけで、コムちゃんの本領発揮分野はこれなのでしょうか。私はスサノオみたいな役だと思うのですけどね。
それはさておき。とてもケンカに強いんです。ロッキーとの一騎打ち場面なんて、あっさり転がされて負けそうなのに(すいません)パンチパンチ! キックキック!
ダンスの場面が一番よかったな~ なんて言ってはいけないのかしら。
エリー(舞風さん)
他の地域(ロックアイランドだったかしら)から歌手のオーディションにやってきた女性。歌手志望という設定は途中でどこかに行ってしまいましたが。マイケル(ギャング)に愛され、スティーブ(医師)にも愛され、ロッキー(ギャング)にも愛されてしまう(多分)すごい女性です。
スティーブに告白されたとき、さっさと断れば良かったのにな~ と思ってしまうんですが。じらしプレイ?
マイケル(ギャング)に
「スティーブに告白されたわ!」
と告げたりして…。うーむ、彼女はマイケル(ギャング)から言って欲しかったんでしょうねー。でもそんな思わせぶりな態度をとっても鈍い人は一生気付かないものです。
彼女はスティーブに対して残酷なことをやっているので、スティーブびいきの私としては「おいおい~」とつっこみたくなったりするのでした。最後は倒れたマイケル(ギャング)(しつこい)のもとへ1人で駆け寄るのですが、スティーブはどうしたんじゃい…と…。冷静に考えれば、フィナーレのために着替えているのだと分かりますが(冷静すぎ)でもさー アナタ一体何がしたいのよ~ ハッキリ言わないとわからないよ~ とつい言いたくなってしまうのでした。
幻想シーンが一番良かったな~ なんていってはいけないのでしょうか…。
フィナーレの白いドレスは本当にキレイでした!
長手袋まで刺繍みたいなの(?)がついていて、髪飾りもすごく凝っていてかわいかったです。いえ、劇中のお衣装があまり…だっただけに一層…
スティーブ(壮さん)
お医者さまです。ナースを2人も引き連れて登場されます。思いがけずエリーというお手伝いまで入手(?)できてうはうはです。しかも好みなんです。惚れてしまうんです。しかし彼女はスティーブの幼馴染みマイケルのことが好きなようです。でも自分の気持ちを抑えられない彼は、紳士の微笑みとクレバーな口説き文句と将来性のある魅力的な職業とでノックアウトすべく、果敢にアタックします(ちょっと創作してしまいました)。
が、彼女の反応は芳しくありません。ガッカリ。そこへ緊急事態が発生し、自分のもとで匿っていたエリーが連れ去られてしまいます。駆けつけてきたマイケルから
「エリーはお前が幸せにしてやってくれ」
などと言われて逆ギレ。
「エリーはお前のことが好きなんだよ! なんだかんだ!」
マイケルに
「何訳わかんないこと言ってんだ!」
と一喝されますが、いえあのその前に、さらわれたエリーを追いかけずにそんなこと悠長に話していていいのですか。ともかくスティーブの
「エリーを幸せに出来ないのならギャングなんてやめちまえ!」
という一言はマイケルに衝撃を与えたらしく、マイケルは
「そうするさ!(意訳)」
と言って出て行きます。
彼の恋は実らなかったのです…かわいそうに。
壮さんファンとしては、「アメリカン・パイ」見たときと同じような寂寥感が微妙に漂う前半でしたが、後半は盛り上がり部分があって良かったです。良かったのかな…。良かったことにしよう。
お医者服はとても格好良いのだが、私服が泣きたくなるほどださかった…! そんなセンスだからふられるんだわ~!
以下つらつら。
スージー(天勢さん)。マイケルの弟分。というか女の子なのですけど。どうも私は男役が娘役をやるというシチュエーションに弱いので… いや彼女はもう娘役なのだが…。ショートカットがかわいかったですな。
ハンキー(緒月さん)。…ハンキー! ハンキー!(ハンキーコール) あ~~情けない役が似合うところがたまりませんな。こういう男役さん(どういう男役さん?)が男男した役をやってしまうと、男すぎちゃってたまにアワワなのですけど(例:わた(以下略)(大好きなんです))、彼もそうなのだろうか…。ともかくかなりおいしい役でしたな。追ってると色々楽しいです。
ロッキー(凰稀さん)。ボスのばか息子。うむ、ばか息子っぷりが良かった。しかしスーツが似合いますなこの方は。
ローリー(有沙さん)。優しげな雰囲気が好きだ…。マダム~!
エディー(悠さん)。やられ役ギャング。雪組を見ると、毎回つい気になってしまう悠さん…。ヒロインと名前が似ているので、たまに聞き違えてドキドキしました。
アンソニー(安城さん)。こっそり気になる方なのでしっかり出番をチェック。幕開きスーツ群舞のあとの、店のおやじとして登場します。ジャケットにエプロンはどうかと思うのですけどね…。
エルザ(涼花さん)。ハンキーの恋人役。かわいいな~めろめろ。「送られなかった手紙」での冷ややかな妻役も好きでしたが、こういうきゃぴきゃぴした(笑)役もかわいいですね。
サラ(麻倉さん)。実は今雪組で一番ホットな娘役さん(自分内)。看護婦姿が…!(はっ 怪しい人になってしまいました)
そして今回のイチオシは真波そらさんです。
バーの清掃係、オーバーオールに無造作髪型! っっく~ かわいいぞ!(顔から惚れるタイプ) 多分あの髪型が私のマニアツボをPUSHしたのだと思われる。というかPUSHしたのです。ロッキーに密告したり盗み聞きしたりする小悪党なのですが、ふてくされた顔が、た、たまらん…(ふてくされ顔に惚れるタイプ)
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け、けっこうぼろくそに書いてしまいましたか…?(どきどき)
物語の最後はシリキレトンボな気がしますが、コムちゃんや貴船さん&緒月さんの客席降りもありますし(下手側です)(2階からはあまり見えませんでしたが…涙)なかなか楽しめる公演でした。
もう1回行きますわー 今度はハンキーのあの場面を見逃さないぞ!(固い決意!)