* 星組 / 湖月わたる・檀れい / 大和悠河 / 博多座 / 2004-08
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楊貴妃が美しい…うっとり。美人の嫁さんがかわいくて仕方ないでれでれわたるさんもポイント。またまた恐れ多くも他人の嫁さんに迫ってしまう大和さん。あわわ。ワルっぽくて(いや敵役なんですが)格好よいです。
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(観劇メモ)
楊貴妃といえば、世界3大美人のお1人ではないですか。
そんな役がはまりにはまってしまう檀れいさんは素晴らしいですよ。
もう本当にお綺麗でした。檀れいさんばかり見ておりました。
次はクレオパトラやったり…しないか。
史実に忠実…なわけではなくて、宝塚風に仕上げた『愛の詩劇』だそうです。
は? こんなのだったっけ? などと疑問に思ってはいけないのです。
といっても歴史的知識に乏しい人間(つまりわたくし)にとってはそういった心配はしなくて済むのですが。
でも安禄山の乱(漢字あやふや)や玄宗皇帝というのは確かに習った記憶がありますな。
内容はというと、
玄宗皇帝が楊貴妃をめとる
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ラブラブ
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安禄山の乱
↓
民の怒りを静めるために楊貴妃自害
↓
宝塚お得意の死後の世界
という感じなのですが。省略しすぎたかしら。
物語的にはわりに淡々と進んでいくのですが(ももも盛り上がりに欠けるなんて言ってません)その淡々さが心地よいというか。好きですこの作品。
人数が少ないため、色んな人が色んなところに色んな扮装で出てくるので「あら? この人生きていたのかしら」「お主寝返ったな!」などと思わないように気を付けねばなりません。だって重要な役をやっていらっしゃる涼さんとかまでが1兵士で登場されたりしますからね~。でも大和さんの味方の兵士として登場されるので、恨んで化けて出たと思えば納得(誰もそんなこと思いません…)
玄宗皇帝(わたるさん)
いわずもがなのお偉いお方なのです。もう力強くて堂々~とされているし、でーんとしているし……ああ語彙の乏しさが恨めしい。ただ、最初は偉そうなのですが(実際偉い方の役なのですが)、楊貴妃を娶った途端、べっぴんの嫁さんにメロメロな旦那さんに。鼻の下びよんびよんでございます。眉尻目尻下がりっぱなし。嫁さんの美貌を家臣に褒められたときの、得意げな顔といったらもう! 彼のお披露目全国ツアーであるバタフライラブでの「若いお嬢さん方に囲まれデレデレの図」もわたるさん色が出ていてよろしかったのですが(褒め言葉)、今回の「美しい新妻にデレデレの図」も非常に良かった! これでこそわたるさんですわよ。
あとは摩訶不思議な帽子が気になったり(前見えるのかしら)色々楽しめる部分がありました。楊貴妃の前ではへろへろな旦那さんですが戦闘場面などはさすがに格好良いです。骨までぶったぎられそうです。
楊貴妃(檀れいさん)
最初は寿王の婚約者だったのですが、玄宗の横暴な行動により、強引に玄宗のお嫁さんにさせられてしまうことに。寿王を愛していたのかと思いきやそうでもないらしい…。寿王との婚約も、本人の意思が入らない上層部(?)の取り決めだったりしたのでしょうか。とにかく、最初は「ひどいお方」と玄宗に文句たらたらでしたが、いつの間にやらマインドコントロールされ玄宗を愛する可愛い女性になってました。…いや玄宗の魅力に惹かれて自然にそうなったのだとは思いますが。何ていったって愛の詩劇ですからね。最初、「アナタ寿王のことが好きだったんじゃないの~?」と思ってしまって展開に合点がいかなかったのですが、これらはすべて「宝塚流『愛の詩劇』だからね!」と思えば納得できることがわかりました(←少々なげやり)
やきもちをやいたり、その嫉妬の気持ちをお酒でまぎらわそうとしたり、そんな行動がとてもかわいいのです。よっぱらったあと玄宗に絡む場面でも、滅茶苦茶な要求を並べ立てますが(可愛い女を包み込む愛の広場をつくれとか)、最後の本音はとてもかわいいものなのでした。つまりは「他の女のところにいかないでよ!」ということなのですが。こんな嫉妬心ギトギトな行動でも、檀ちゃんがやると「愛いやつじゃのう」となるのがまた。美人はなにやっても許されるのだ~。
安禄山(大和さん)
玄宗の部下として、表向き忠実に仕えていたのですけど、反乱を起こします。
反乱の理由…。史実ではどうなのかわかりませんが、この物語においては「楊貴妃に拒否された腹いせ」…なのでしょうかねやっぱり。
この「オレってワルなんだぜ」風な役作りが…た、たまらぬ。
楊貴妃にめろめろな主人を見るときの冷ややかな目つきも素敵です。
まずポスターやパンフの扮装写真が首切り職人ファッションなのを拝見して、「ああ悪役なのね」と思っておりましたが。…黒字に金の水玉…。
どうでもいいですが私は中国ものによく出てくるあのばさっと降ろした髪型(通称「愛燃えるの髪型」)がちょっと苦手なんです。あの髪型が似合ってしまう人は稀だ…。と思っていたけどタニさんは何だかよくわからんがステキに見えてしまいました。
以下つらつら。
宦官の星原さん。さすがに落ち着いてらっしゃいます。
楊貴妃の兄(いとこだったかも)の立樹さん。えぇお人や…。身内の力に頼って権力を持った人ではあるけれど、悪いことなんて考えてなさそうです。誠実に玄宗に仕えようとしている心構えが素晴らしい。
涼さん、どこかの将軍(なんて適当な説明なんだ) 勇猛で知られる人で辺境で他の国の人と戦って成果をおさめ、都にやってきました。楊貴妃との会話は、日常が戦ばかりである彼にとっての心に咲いた1輪のぼたんの花のようなものだったのではと思いますが(詩的なのか何なのかわからない表現)死罪になってしまうのです。くく…。高音鼻声ボイスが健在で嬉しい限り(こればっかり)。涼さんは、礼儀正しい敬語使いがとても似合いますな~。好きだ~。
楊貴妃の姉3人衆のしのぶさん、百花さん、仙堂さん。何だこのハジケ姉妹(笑) やりたい放題~なところがもっと見たかったかも。
汐美さんは玄宗の家臣。忠実な部下で最後まで味方なのですけど、あまり目立たない役どころなのは残念。
大真さんも家臣。宴会(だったかね)ではセンターで踊ってらっしゃいます。…ちょっとばかし「どうなの?(笑)」というフリなのですが… 両手に羽(アジアンサンライズで匠さんや直ちゃんが頭につけていたやつ)を持ち、カニ歩きなんです。楽しい…(笑)
綺華さん、寿王。楊貴妃の婚約者だった人。強引に楊貴妃(当時の名は玉環)を奪っていった玄宗を批判し、乗り込んで婚約者を奪い返してやる~と意気込みますが、安禄山になだめられてあきらめてしまいます。所詮その程度の想いだったのか…という訳ではなく当時の彼をとりまく状況など考えたらそうせざるを得なかったのでしょう。それとも腹に一物持つ安禄山からしてみれば、そこで寿王に動かれちゃ色々困ったことになると思ったのかも。そのときから楊貴妃にまいっていたのかもしれませんなぁ(お察しの通り?) ともかく寿王さんは中国風のメイクが似合ってとてもステキなのでした。
陽月さん、梅妃。楊貴妃が来る前に玄宗の寵愛を受けていた方であると予想(調べてないので信じないでくださいね) 女の戦い部分はすごくワクワクします。中国版「大奥」みたいな感じですよ。エキセントリックな役もお似合いなのではないかと。王家の新公が見てみたくなりました。
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まとまりないですがこんな感じで。
大劇場版ではキャストが変わるので、そちらも楽しみです。