* 花組 / 春野寿美礼・ふづき美世 / 水夏希・霧矢大夢 / 宝塚大劇場 / 2004-09
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良くも悪くも正塚作品(こればっかりですな)
なかなかつらい内容です(ずーん)
きりやんのおひげがもーのすごく素敵です。
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正塚先生お得意の「日常を切り取ったような」お芝居でございます。
ああ正塚テイスト。ばりばりです。
物語。
自分の力ではどうしようもない理由で夢をあきらめなくてはいけなくなってしまった2人が、また夢に向かってがんばるぞー! となるお話。
まー内容はどうあれ、春野&ミズの並びはホクホクでございました。楽しいわー
じゃれあいがもう…(笑) きりやんのおひげも良かったですな!
途中の「どんな仕事をしていても、楽しみはある」という文句が、心に深く突き刺さるのですが。
ううぅぅ痛い痛い。
「夢をあきらめても、案外楽しいもんですよ」というのが主題かと思ってしまいました。夢を売るタカラヅカがそんなんで良いのかーー! と心の中で絶叫してみました。
このままで終わらなくてホッとしましたよ…
ともかく、私と似た境遇の方でしたら、心にズシーーンと来る部分があるのではと思われますわ… よくわかりませんけど。
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春野さん(カルロス)
カルロストシキ&オメガトライブ… なんてものを連想してしまう人は年がばれます。それは私です。
君は1000パーセント。(しつこいですよ)
ダンサーなのです。フラスキータ(遠野さん)とペアを組んで、コンテスト優勝を目指す若者です。
が、いきなり「彼の兄=マフィアのボス」設定が。(正塚先生は銃を容易に使いすぎなのではないか) で、兄が何をしたのか存じませんが、突然抗争(?)に巻き込まれてしまい、兄は逮捕、フラスキータは流れ弾に当たって負傷、カルロスはダンス界から追放されてしまうのでした。何がなんだか。
ホテルに就職し、日常に満足するカルロスでしたが、何だかんだでやっぱりダンスが好きなのです。周囲の強引な後押しもあり、またダンス界に復帰することになってめでたしめでたしです。
まあ普通の役なんですが…なんて言ったら怒られるかしら。
特に悪いわけでも何というわけでもなく。人生に希望を持ったり悩んだりする若者です。
色々と楽しそうで(笑) 見ている方も楽しかったです。
やっぱりミズさんとの戦い…じゃなくてじゃれ合いがたまらなかったですな! ふづきさんとの掛け合い歌も良かったです。
ふづきさん(ミルバ)
画家のたまごです。絵画コンテストのために日夜がんばっています。ダンスクラブ(?)でカルロスに出会い、意気投合して「お互いコンテストで優勝したら、ペンギンを見に行こう!」ということに。が、ミルバは師匠に出品予定の絵をけなされ、出品もとりやめになってしまいます。似たような境遇に陥っているカルロスとまたもや意気投合し、たまに会っているうちに2人の仲は、点点点。
師匠はミルバの才能に嫉妬してひどい仕打ちをしていたのですが、後日反省して、パリ留学の手配をしてくれました。また夢に向かって歩き出すミルバさん。めでたしめでたし。
ペンギン見に行くときのコート姿が好きですな~。かわいいです。
出来上がったぬいぐるみなどを見ると、本当に才能があるのか疑問持ったりしちゃうのですが…(本当すいません)
しかし画家なのにタンゴにつき合わされちゃって、かわいそうでもありますな(笑)
ミズさん(ベニート)
カルロスのライバルにして親友。色々力になってくれる素晴らしい友人です。パートナー兼恋人(後の奥さん)にめろめろのようです。
あらら説明が短くなってしまいました。
これと言って… な役だったのです… あわわ。
でもダンスシーンはさすが魅せてくださいます。うっとり~
イネス(桜さん)とのコンビ、サイズ違うし(何の)どうなのかとドキドキしておりましたが、…すげー良かった!! ホレボレです。あのダンスの合間に見せる、憂いのある色っぽい表情がまた良いのですよね~。
正塚先生は、中日ロマパリでのミズさんのおとぼけっぷりから今回の役のヒントを得たのでしょうか…。何となく似たキャラ。
霧矢さん(ファビエル)
クラブのオーナー。カルロス、ベニートら若手ダンサーを援助してくれる、素晴らしきお金持ち。
フラスキータが好きなので、直接の原因ではないとは言えカルロスに怒りをぶつけてしまいます。その後、自分の狭量を恥じ、カルロスと和解。良かったのう~。フラスキータとも心が通じ合ってめでたしです。
た、たまんね~ おひげ…。
立っているだけで面白い霧矢さんですが(大好きなんです)、今回の渋い、そしてかわいいおじさま役、とても素敵でした。
フラスキータに告白するシーンがよかったですな! 「君の外見が好きだ!」なんて…(笑) ちょっと失礼なセリフだが、言われたらやっぱり嬉しいかもしれない。
ファビエルとフラスキータのカポーはお似合いでしたな! おじさまと若いおなご… ううむ背徳の香り。じゃなくて…えーと。
遠野さん(フラスキータ)
カルロスのダンスパートナー。カルロスに気がありそうでしたが、ファビエルさんの優しく包み込むような献身的な愛(脚色しすぎたわ)にクラッといっちゃいました。
理解のある素敵な女性です。
わりに盲目的に遠野さん好きなのですが(私が)、やっぱりかわいいですなぁ。
ファビエルの気持ち、わかるわ~。
ここ数作品、ぐぉぉーっと伸びている印象。ダンス中の気高そうな冷ややかな笑み(?)がすごく素敵でした。ファビエル告白中の何かをこらえたような表情も良かった! めろめろ。
以下つらつら:
ファン(彩吹さん)。カルロスを盲目的に慕う青年。言われてダンスコンテストに向けて訓練しますが、実は重い心臓病でした。コンテストの最中に倒れてしまいます。彼が倒れたのがきっかけで、カルロスは復帰の決意をしたのですけど… あわわ。
イネス(桜さん)。かわいいんですよ…。ショートな髪型がまたもう。「数年後」の場面では長めになっているのが芸が細かいですな。
狂言回しな方々(未沙さん、蘭寿さん、華城さん)。お笑い担当で…。未沙さんはやっぱり上手いなぁ。
医者(未涼さん)。あらら… こんなに似合っていて良いのですか! と驚愕しつつときめいてしまいました(笑)
花純さん。ダンス場面で常に登場されるのですが、やっぱり素敵ですな~。(私は花純さんのダンス&背中を盲目的に崇拝しています) 周囲のダンサーたちは、そこまで露出度高くないお衣装なのに、何故か花純さんはスリップドレス(正しい名称不明…) そうね背中は見せた方が良いと思いますよ! 喜ばれますから!(私に!)
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正塚先生のお芝居を見ると、たまに肺の浅いところでしか呼吸していないような、少々息苦しいような感覚を味わうことがあるのですが…。
先生お得意の「うん」「はい」「ええ」「ああ」芝居、あの多用しすぎ(言っちゃった~)な相槌の打ち方のせいなのかしらと。あまり感情を込めすぎると…、というか相槌を1つのセリフとして強調しすぎてしまうと、休むヒマがなくて私がぜーぜーしてしまうのでした。げふげふ。
なので春野さん・ふづきさんの会話シーンなどは、何故か落ち着きませんでした。うーん。
でも2回目は全然気にならなかったです。慣れたのかしら。
ところでペンギンを見に、彼らはどこに向かったのでしょうか…。
よくわからなかったですわ。南極ってことはないですよね(偏った乏しい知識)
どうでも良いことですが、あのような寒い場所でダンス踊ったりして、彼らは大丈夫だったのでしょうか。
極寒の地での心得:
大きな息をするな! 肺を冷気がかけめぐり、瞬く間に凍って死んでしまうぞ!
(小学生の頃の社会科の教科書にこんな文章が)(細かいところはうろおぼえ)
最後は、ペンギン見に行ったところで終わりでも良かったのではないか、と私は思った。
というかあの例のコールが見るに耐えないのですが! …と言ったら言い過ぎかもしれませんが…「こっぱずかしい感」が大好きな私ですが、あれはちょ、ちょっとね… 他に何か無かったのでしょうか~
ダンスシーンは必見だと思います。
格好良いんですよ~ 悩殺されますよ。