* 雪組 / 朝海ひかる・舞風りら / 宝塚大劇場 / 2005-07
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お衣装は、ステキでした。もごもご。
後味が……ウムム、な作品でございました。途中まではなかなかワクワクさせる展開なのに惜しい!(のかもしれない)。そしてお衣装は非常~に好みですのに。勿体ないのう!
どんでん返しというものは、ドラマチックな展開にするためには欠かせない手法ではあるのですが、
「え? 今までの『結構良い奴じゃないの』っぷりは何だったの?」
と、あきらかに目がテンな展開はいかがなものかと思います。途中までなかなかの盛り上がりなのに、最後の5分が
「ポカーン」
なのです。単にちゃんと理解出来てないから違和感覚えるのでしょうか。だとしたら情けないことですが。
白昼のときのように、何回か見たらやたらはまるのかもしれません。何といっても私は柴田先生大好き人間。そうよ、白昼と琥珀はあんなにはまったじゃないの! こんな自己催眠みたいにがんばらないとならないってのもアレですが(笑)
えーと、演出が中村サトル氏ということであまり期待はしてなかったのですが(先ほどからボロクソですんません)、まー何といいますかその通りで。はは、ホントすみません。
あの
「ジャジャーン!」
(暗転)
「ジャジャーン!」
(暗転)
(以下繰り返し)
の場面展開はどうにかならないのか。もうちょっと軽やかでテンポ良い展開が好みですわわたくし。まるで前の理事長演出の作品を見ているようです(暴言)。しかも最後かならず人死ぬし。「大海賊」「あの日見た夢に」のトラウマが~。コロせば男の美学が表現できる、なんて考えているのではないでしょうね~!! (イヤ脚本は彼ではないのだが…)
えーとなんだか文句しか出てこないので(笑)人物紹介でも。
ロレンツォ(朝海さん)
ミラノ市の職員なのですが、ウラでは実はオーストリアの統治に反抗するレジスタンスのリーダーなのですな。
フランチェスカ(舞風さん)とフォーリンラブするんですが、レジスタンスのリーダーとして戦場に赴かねばならず。でも果敢に戦って戦果をバリバリと残して帰ってきました!
ロレンツォとフランチェスカ、感動の再会! 思い出のひなげし畑(コクリコ或いはポピー或いは虞美人草或いはアマポーラ)で待つ恋人のもとへ参上します。畑のひなげしがちょっとまばらで寂しいんですが(笑)、まったりとした演出で感動を誘います。
で、幸せ絶頂期にさらッとあの世へ送られてしまうのです(号泣)。
髪がウェ~ビ~でかわいいのです、コムちゃん。
お衣装もお似合いです。最期は… かわいそうを通りこして呆然。ロレンツォさんは満足してんのかなぁ本当に。
フランチェスカ(舞風さん)
織物工場(だったかな?)の娘さん。現在はメイン経営者。何故なら共同経営者であるお兄さんがだらっしないっからです。
工場の危機をロレンツォに救ってもらい、何だかんだでフォーリンラブです。幸せになってくれたまえよ。でもそうは問屋がおろさないのです。ロレンツォがレジスタンスのリーダーで、戦いに行くと知り、行かないで~と取り乱しそうになりつつも
「止めてはいけないのよね…」(意訳)
と理性を取り戻すフランチェスカさんなのでした。何て冷静な女性なんでしょ。戦場から帰ってきたロレンツォと再会するも…。うう…
コムちゃんと一緒のときの、幸せムードがたまりませんな~。
このコンビ、大好きです。醸し出すムードが公演を重ねるごとにどんどんばかっぷる化していて(褒め言葉ですよ)非常に微笑ましい。
カールハインツ(貴城さん)
オーストリアの将校さん。ミラノ市民にとっては敵であるわけなのですけど、なかなかオトコギあるステキなお方。途中までは。そしてフランチェスカに惹かれているみたいです。
ロレンツォとは、統治する側とされる側という立場の差はあれど、認め合っているようです。楽しく会話してます。
ロレンツォがレジスタンスのリーダーであるということがバレて捕らえられたとき…。カールハインツは、変装して助けに来たロレンツォの仲間たち(明らかに挙動不審)に気付きながらも、逃がしてしまいます。何故逃がしてしまったのでしょう。ロレンツォの人間性が気に入っていたのか、フランチェスカのことを想ったのか。
駄菓子菓子! (←昔、某マンガにあったネタ)
無事仲間達のところへ戻ったロレンツォが対オーストリア戦争でバーリバリと活躍してしまってオーストリアはかなりの痛手をこうむってしまいました!
自分の過去の過ちを悔いるカールハインツでありました。
「私が責任をとらなければ」
と決意します。
そこでとった行動は、幸せいっぱいの再会現場に参上し、ロレンツォの背後からこっそり一発撃つ、という卑劣なマネでした。
ななななんてことするんだ。
自らカブ下げてどうする!
ここから、『カールハインツの苦悩』をテーマにしたお話を1つ2つ作れそうです。もしくはフランチェスカの復讐物語とか。
といいますか、これでカールハインツが自分のとった行動(だましうち)を悔いていなかったらアナタ! ちゃぶ台モノですよ!
というわけで、ステキなのに終盤で私の幸せ気分に大ドンデンガエシをくらわしてくださったかしげさんでした。
丁寧語使いがステキでしたのよう!
ジャンバティスタ(水さん)
ロレンツォの友人。ロレンツォと、自分の元恋人であったエンマがレジスタンス活動していると知り、我も我もと仲間入り。最初から最後まで幸せなお方。
実はあまりストーリーに絡んでおらず(ぐわー)、でも出番は多いかもしれないです。よく舞台上にいます。魅せ場(濡れ場?)(ちょっと!)は物語に関するところではなくて、合間のショー部分みたいなところ。「物語が停滞してきたのでちょっくら盛り上げるぜ!」みたいな感じで(?)、突然皆さんわやわや出て来て歌って踊る場面がふんだんに盛り込まれているのですよ。
エンマとのラブシーンも良い感じ。たまらん包容力です。もわもわ。
はぁ~、ステキだわ(笑)
ロレンツォが「ジャンB」と呼ぶのがステキ! 私も! 私も呼びたい!
カジノで、エンマに向かって言うセリフ
「ちょっと遊んでくる」
が何故かツボ。なんか妙じゃないですかコレ…。
壮さん。物語進行役の新聞記者。皆さんをひきつれて踊ったり、ソロばりばり歌ったりする姿が堂に入ってきましたな。頼もしい。
天勢さん。カジノのマダムでジャンBの元恋人、エンマ。オトナっぽい役が合ってました! 声の調子も良かった。個人的好みからいえば、もうちょっとおにくつけてほしい…心配です何故か勝手に。私のでよければたんとあげます(いらないです)
音月さん。カールハインツの部下。怖いんだかギャグ担当なのだか(笑) 楽しいキャラです。ホント、彼女は太陽みたいですなぁ。
未来さん。酔っ払いなフランチェスカのお兄さん。同期の愛さんとの掛け合いが楽しいです。
柊さん、ベッポ!(語らせてぇ~) ロレンツォ逮捕の原因となった困ったちゃんです。アンタが余計なことするからよ!(愛) それでも、本公演でのセリフって初めてではないのかなぁ…。私が認識した中では。あ~もう、困ったちゃんでもステキだわ!(末期だわ~)
最後。
ロレンツォにしてみれば、表裏のある生活で神経すり減らし、常にピリピリした生活の中で、初めて出会った安らぎの時間=フランチェスカとの逢瀬、であったので、もう思い残すことはござらんという状態だったのかも…。
というかそんなこと倒れるストップモーションしつつ言っていたような気がするような。
でも最期にフランチェスカの慟哭で幕がおりるのは後味がアレでございます。
せめて「白装束で死後の世界」とか、カスミラみたいに「トップ1人孤独に歌う」とか、蛇足になろうともつけて欲しかったです。全く個人的な意見ですが。
「こんちくしょう、あんちくしょう」の歌。
ど、どうにかしてくださいよ…。(ハラがよじれて息が。)
「フランスではコクリコ」(notココリコ)、もどうかと思いますけど。外国語マニアなのか…
柴田先生、ついに歌詞考えるのめんどうくさくなっちゃったのかしら。
柴田先生の言い回しは結構独特なのですが(昭和の香り)、私はコレが大好きなのですよね。琥珀の「恋してしまったのだ」とか「悲しいよね人生は」とか、セピア~な雰囲気が良いんです。確かに「こんちくしょう」はどことなく昭和の香りですね。
そのうち「グンバツ」とか「クリソツ」とか言い出したらどうしましょう。「ルービーポンイツ」とか。ビール1本。(昭和風なのか?)
なんだか文句ばっかりになってしまいましたね。
でも何のかのと言いつつも楽しめるのがたからづか! でございます。
そう、このツッコミが楽しいのですよね~(タブン)
東京でも楽しもうと思います。