宙組公演のメモです。
タニちゃん大好きなので、怒らないでください。
「バレンシアの熱い花」。
何というかまあ、昭和のかほりがそこはかとなく漂うお芝居ですな、というのが第一印象だったのですが。
回数(といってもようやく(?)3回ですが)こなして、無性に面白くて仕方ない作品となりました。
まじめに彼らの生き様について考えると、多少理解しかねる部分もあるのですけれども。おそらくこれは、柴田先生の「男のロマン」なのであろうと思ってあきらめることにいたします。決まった人(若くて美しい、純粋な、婚約者とか妻)が居る身でありながら、その人のことを大事に想いながら、一方では世間の裏側に住んでそうな(そうでない場合もあるけど)妖艶な大人の女に恋をしてしまう、そんなロマンを抱き続けている方なのだと思います。結ばれたいのとは、ちょっと違うのですよ。一時の快楽、というと少々品がないのですが。ひと時の逃避行動というか、束の間の夢というか。永遠に続くことはないと解っていながら、一瞬でもおぼれたくなってしまう。
ま、つまりは不倫ですよ。フェルナンドとイサベラ、寝てるよね?(←なんてはしたないお言葉)
この作品を見てどう感じるのかというのは、観客個人個人の歩んできた人生により色々であるのかもしれません。私など取るに足らない経験しかないので、「フェルナンドめ、婚約者が居る身でイサベラとナンダカンダするなんて、許せん!」と単純に思ってしまうのです。もうちょっと経験積んだら何か見えてくるのかなあ。
ストーリーはさておき、それぞれの場面を独立した遊興場面(?)として見るとすごく楽しめることに気付いたので、そんな姿勢で臨むことにしました。
時代モノなので、色々なところに形式ばった演技が登場するのですが、それがもう、コントかと思うくらいで(す、すいません) その中で1人、リアルに存在する陽月嬢が逆に浮いていて、どうしようという感じです。ああもう。そんな宙組が好きだ。
タニちゃんは、お歌が上手くなったのかと一瞬思ったのですが、音量調節が出来るようになったということなのね…。ボリュームつまみの回し方を習得したのね。「感情が高ぶるあまりついがなってしまう歌声に、耳をふさぎたくなるのを必死にこらえる」というのが、タニちゃん鑑賞における醍醐味の一つであったりするわけですが(ゲホゲホ)、今回はそういうことが稀にしかなく、逆に拍子抜けです。大人になってしまったんだな…!!
ショーについて少しだけ。
フィナーレの大階段ダンス。能天気すぎる笑顔がまぶしい前列3名の後ろに、場違いな程のキメ顔で存在されている七の人がたまらなく愛しいです。これ、先々代様のDNAですよねえ…、どう考えても。思えばあの方、大階段での笑顔ってなかったような気がするのですけど。デュエットダンスのときとかソロで歌う時とかの笑顔はあったけど、引き連れ群舞のときは常にギラリング(もしくは、唇の端限定の笑み)。といっても、前列3名+七の人以外のメンバーについては、まるっきり記憶がない私だ…。七の人だけ浮いているのか、それとも前列3名が浮いているのか、それとも各々好き勝手なのか、次回は綿密に調査してみようと思います。
蘭とむや北翔さんが、ちょっとずつカミワザを習得しつつあることについて、非常に気になっております。カミワザとは「髪技」と「神業」の二つの意味を併せ持つ言葉である(と勝手に思っている)のですが、「こどもたちに遺したいテク」の筆頭に挙げても良いと思います。(宙組生における必須科目なのか、という部分も非常に気になります)
現時点では、前髪だけフヨンフヨンと揺れるのに後ろはキッチリ固めてあったりして、目が異様に肥えている身には多少物足りないのですけど(面白いけど)、これから進化するのかしないのか、要注目であると思います。