彩の国さいたま芸術劇場で、「ムサシ」観てきました。
彩の国さいたま芸術劇場の、ニナガワさんシェイクスピアシリーズをここ数公演観ているのですが、今回もニナガワさん演出ということで観てみようかなあと。キャストやらの詳細をよくよく確認してみたら、なんと小栗くん出演(好きなんです)(告白)。そしてかねてから一度ナマで観てみたいと思っていた藤原竜也くんも出演。そしてそして、なんと原作が吉川英治氏の「宮本武蔵」とか(吉川先生、好きなんです)(告白)。こりゃー観るしかありませんです。
こんな感じで張り切ってみたものの、チケットは大激戦でして…。さいたまで観られなかったら大阪まで遠征する気マンマンだったのですけど(でも大阪も激戦の様子であった…)、運良くプレイガイドの追加販売で見事にさいたま当選。良くやった、ワタシ! ものすごーっく端っこだけど、中に入れるだけで狂喜乱舞ですわよ。ライフ仲間+ニナガワさん仲間+小栗くん仲間(?)のCさんと、期待の余り踊り狂いつつ行って来ました。
私の「武蔵&小次郎」に関する知識は「巌流」です。安蘭さん主演の。よく憶えているのは、「勝つ気ないから鞘捨てたんでしょっ」という、小次郎に対する武蔵のセリフ。この場面(巌流島の戦い…でいいのかな?)が、冒頭です。いきなりクライマックス。しかも私、武蔵と小次郎どっちが藤原くん(私は愛をこめて「おかっぱ君」と呼んでいます)(愛がこもっています)なのか小栗くんなのか下調べしてなくて、尚且つ舞台が半分以上見切れてしまう驚異的な席であったために、何がなんだか理解できないまま話が進んでいきます(笑)。
このあと、小次郎は(勝負には負けたけど)生きていて、横浜(だったかな?)のお寺まで武蔵を追いかけてくるのです。そこでは3日間の座禅合宿(?)みたいなことをやっていて、小次郎は合宿(?)が終わったあとに決闘せいと武蔵に果たし状を突きつける、という展開。
その果たし状の中身は…、「自分は約束の時間からずっと待っていたのに武蔵は半日も遅れてやってきた、不公平だ」「自分は太陽に向かった状態で戦ったのに武蔵は太陽を背にして戦った、不公平だ」、恨み言づらづらづら。
だんだんわかってきました。この話、ギャグです。コメディーなんです。
大人の男5人が舞台中央でだんごになってたり、剣の型を学んでいたのがいつの間にかダンスになってたり…これはもう、見ないとわからない面白さ! 笑った! 笑いまくった!
武蔵と小次郎のじゃれあいもめちゃくちゃ楽しいです。狙ってんのか(笑)。
いきなり飛びますが、最後は武蔵と小次郎の間に友情が芽生えます。なんということだ。if物語なんです。ドリームなんですよ。でもとても清々しい終幕。
どこが「原作:吉川英治」なんだ? と思いましたが、終演後に「昴」という雑誌(「ムサシ」の台本が掲載されている)を見てみたら、吉川先生の「宮本武蔵」は参考資料であることがわかりました。納得。それでも「宮本武蔵」が読みたくなりました。今は吉川先生の「新・平家物語」を途中まで読んで止まっている…。まず「新・平家」読んで、それから「宮本武蔵」に挑戦しようかな。「新・平家」、全16巻のうちまだ2冊くらいしか進んでないけど(笑)
武蔵(藤原竜也くん)。初めてのナマおかっぱ君(愛がこもった呼び名)。35歳の武蔵でした(笑)。声がなんか安定していなかったように思ってしまった。普通の若者っぽい声だしているときはとても良い声で聞き惚れた♪ でもドスきかせた声出しているときもあって、そのときは言葉がよく聞き取れなくて、何言っているのかわからなかった…。おそらく藤原くんとしては若人役の方が合ってるし得意なんじゃないかなーと。ドス声はちょっとムリしてる気がする。熱く燃える少年の役とか見たいわ。
小次郎(小栗旬くん)。初めてのナマ小栗くん。29歳の小次郎でしたわよ。おじいさんじゃなかったよ(笑)。小栗くんはとても滑舌よくて良い声でしたなー。ムリして声出してないからかもね。後半の、とある出来事で見せるビックリ顔が、すんごい微妙でステキだった(笑)。武蔵も小次郎も、ビジュアルがもろに「戦国無双」(ゲームです…)で笑えました。世間一般のイメージがああなのだろうか。
柳生宗矩(吉田鋼太郎さん)。鼓の音を耳にすると、狂言舞い始めちゃう剣豪(笑)。声がいいのよ~。さっきから声のことばかり言ってるけど。吉田さんはニナガワシェイクスピアシリーズによく出演されている…のでよく拝見してるのですが、ホントステキなおじさまです。今回はお茶目な(笑)ノリ良すぎるおじさま役。シリアスなのも見ごたえあるけど、コメディの吉田さんもステキだあ~。
筆屋乙女(鈴木杏ちゃん)。筆やさんの跡取り娘(だったか?)。「憑神」のときよりちょっとほっそりしたかな? かわいかったです。木屋まい(白石加代子さん)。元芸者さん? の役で、座禅合宿(?)に参加するおばさま。う、うますぎる…。場をさらってましたよー。沢庵和尚(辻萬長さん)。いい味出してるおじさま。藤原くんに妙にがっしり組み付いているのが気になった(笑)。
とにかくもう、あと何度でも見たい! ものすごくオススメの作品です。日々の憂さがスカッと晴れますぞ!