* 花組 / 彩吹真央・遠野あすか / 日本青年館 / 2004-06
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1950年代のNY。とあるカメラマンの切ない恋物語でございます。彩吹さん魅力大炸裂。周囲の方々も良い味出しています。未涼さんの困り眉がたまりません…
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(観劇メモ)
サンケイのサイトで出演者&演出の先生のインタビュー記事を見て、「面白そうだわ~」とわくわくしておりました。
期待は裏切られなかったわ…。満足でございます。
何といっても主演の彩吹さんが良いですな。
個人的に、もともとかなりまいっているのですけど… 何というか「怖いものみたさ」というところもあって(あわわわ…悪い意味じゃありませんよ…)
何といっても私が初めて彩吹さんを認識したのは、タンゴ・アルゼンチーノの
「もっと短いスカートをはけよ! 脚が見えないぜ!」
ですので(す、すいません)どうもちんぴら的イメージが宿っているのです。
でも彩吹さんの持ち味というのはそれだけではなく(当たり前だ)、良いとこのおぼっちゃんやら、小悪人やらかわいい弟子やらジゴロやら何やらかんやら。ん? 悪い役って結構多いのでしょうか。
結局何が言いたいのかわからなくなってまいりましたが、そのちんぴら的な部分と良い子な部分がうまく出ているような、そんな役だったと思うのです。
…こういう分析は非常~~に苦手なので、かなり見当違いなことを言っていると思います…聞き流してください。
ともかくこれだけ伝われば充分です。
ゆみこさんはステキだった、ってことです。
少々サスペンス仕立て? な展開です。
でも齋藤先生のように(名指しですか)、伏線をはりすぎて自滅したり、意味ありげなアイテムが実は全く意味をなしていなかったりということはなく(私は齋藤先生が大好きです)、ちゃんと解決しておりました。していましたよね?
ペンダントもちゃんと役立っていました。
ちょっと切ないのは、やはり主人公の恋が報われずに終わる、というところですか。小柳先生の前作「SLAPSTICK」もそうでしたが。
物語の最初から「この恋は実らなそうだなぁ」とわかってしまうのがまた切ない。
そしてビリー(彩吹さん)のセリフ
「あいつのことを考えると、胸が苦しくなるんだ…」
ぎゃ! そんな「今初めて恋を知りました」みたいなセリフ…
どどどどうしましょう(相当ツボでした)
でもこんなこっぱずかしいセリフでも、サラッと言えてしまうところが宝塚の、いえ彩吹さんのすごいところです。
うーむ私も彩吹さんのことを考えると胸が苦しくなりますよ。げふっ(食べ過ぎただけでは)(またベタなツッコミを…)
あらすじまで書いていると寝られなくなってしまうので、簡単に行きます。ストーリーは自己調査でお願いいたします…
ビリー (彩吹さん)
ニューヨークに住むカメラマン。警察無線を傍受し、事件現場やゴシップネタばかり撮影して小金を稼いでおります。とあるきっかけから裏側の世界を知ることになりますが、結果的にはめでたしです(強引なまとめ方)
イロイロ複雑な家庭事情なのですが、デイジーと出会ったことで彼の頑なな考え方にも変化が。恋は実らなかったですが(涙)、この出会いは彼の人生にとって大きな意味があったのでしょう。
歌がたくさん聴けてとても満足。
あとは↑で語ったとおりなのですけど…
彼はいつの間にこんなにキザれるようになったのかなぁ…見せ方(魅せ方?)わかってきましたよね(偉そうなわたくし)
ゆみこさんにめろめろなのでした。久々に堪能できた気がします。
デイジー・ミラー(遠野さん)
女優さん。マフィアの偉い人に囲われています。
自由になるお金はある…でも自分の身は自由ではない…
その割にフラフラ出歩いているのですが、そのあたりは深く考えないようにしておきましょう。
恋人、ニコラを助けるために、ビリーのもとにやってきます。彼女はビリーの恋心を知っていたのかしらね…。
だったら最後のキスは残酷ではないかしら。うぐうぐ。
ともかくニコラは殺されることはなく、数年後には一緒に暮らせそうです。めでたしですな。
最初の白ドレスから…次の黒ドレスから… 女優ルックがお似合いで恐れ入りました。
この作品、個人的第一目的は遠野さんでしたが、役も良くて大満足。かわいかったです。
序盤の、毅然とした傲慢ともとれる態度が、段々秘密が明かされるにつれ弱みを見せるようになっていくのが良かったですな。それでも必死に倒れまいとしている、健気さが印象的でした。ベタ褒め。
髪型、遠野さんはたまに「あわわ…」なことをやってしまうのですが(それでもかわいいんですが) 今回は良かった! ポスターにもなっている、ふわふわの髪型が好きです。
ニコラ・ダッジ(愛音さん)
マフィアの人。追われてます。デイジーの恋人です。
出番はそこまで多くないのですが、愛音さんにこんな骨太な役が… 浅黒さがまた似合っているのが。格好よかったです。
マネキン倉庫って一体何が良かったのだろうか、とか、下らない疑問はわきあがるのですけど…
何はともあれ幸せになれそうで良かったですな。
これからはまっとうなお仕事してください。
バーナード(未涼さん)
新米記者。修行のために、上司の命令で、ビリーのお供をすることに。
ココロ和む天然キャラです。
困り眉…困り眉をなさっている!!(大興奮)
眉ワザキャラ認定をすべきでしょうか(既に認定されているのはハルノさん)
ハルノさんのハルノ色が薄れてきているので(難解 ※)満たされない分は彼に期待しようかしら。
(※ つまり、ハルノさんに貫禄が出て来てヘタレ属性から抜け出しつつあるのを惜しんでいるのでございます。貫禄ハルノさんももちろん大好きですよ)
眉ワザが見たいがために、かなりしつこくオペラ追跡してしまったのはヒミツでございます。
刑事のお2人(悠真さん、望月さん)
陽気な刑事さんコンビ。結構抜け作。
民間人と組んで悪事をあばこうと… いいのかしらこんなことして。
上司にへいこらしているよりはマシですが(例:浅見光彦シリーズ…ちょっと違うか?)
彼らとビリー、バーナードの掛け合いはコミカルで楽しかったです。やはり笑える部分があるというのは良いですね。
キャシー(華城さん)
ビリーが転がり込んでいる部屋の入居人。ビリーのことが好きみたいです。
結局彼は彼女と一緒になるのではないかなぁ…。
何だかんだでちゃんと理解してくれそうです。
きちんと演技してるところは初めて拝見しましたが、声キレイだしかわいいしで良かったですなぁ。
遠野さんと微妙にキャラ、というか見た目がかぶっているような(よく知らない人は見分けつかないのではないかしら…)…これは配役とか演出の問題ですね。
ここからつらつらと。
高翔さんが機械少年役。うむ、爽やかだ。
ダンスの場面では先陣きって(?)踊っておりました。高翔さんのダンス好きなので、堪能できて良かったわ。
矢吹さんはマフィアのボス。…何というかもう、はまりすぎで怖いくらいですよ。恐ろしいです(笑)
悪い偉い人(役職よくわからなかった…市警の副長官ですか)、一樹さん。
ビリーとの再会場面は泣けたわ…。良い人ではないですか。
後味の良さはここから来るわけですね。