* 星組 / 湖月わたる・白羽ゆり / 全国ツアー
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十人十べるばら
「ベルサイユのばら」。
おっと、出だしはやっぱり「ごらんなさい♪」なのですね!
小公子たちの白タイツ姿、惑わされてはいるが実はとっても恥ずかしい格好なのではないかと思っています。ひどい格好させるなぁ。
そして、北欧の貴公子、ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン登場。
ん?
気のせいか、フェルゼンの後ろに日本海の荒波が見える…(ごしごし)(←目をこすっている)
ま、いいのだベルばらなんだから。(いいのか?)
何が良かったかというと、それは!
立樹アンドレの「ワッハッハ」笑いでございます。アンドレが良かった! 立樹さんはハマリ役ですなぁ~。持ち味にすごく合っている! と、強く感じた次第。オスカルをからかうところなんて…もう~たまりません! そのときの涼オスカルの怒り方もたまらない感じなんですが…。うーむ、ナイスカップルですな!
さて、内容。新演出…で一応がんばってみたのだなと思いました。
私は2001宙組版は…えーと…ビデオで狂ったように見たのですが(ミズオスカルばかり…)、そのときと同じフェルゼンとマリー・アントワネット編であったわけですね。
今までのベルばらには存在した場面なのかもしれませんが、2001には無かった場面が新鮮でした。削られた場面もたくっさんありましたが…。
フェルゼン主役! という感じでした。だって、オスカル&アンドレには見せ場がないのだ、バスティーユの。ただ一言、
「死にました」
で片付けられてしまうのが切ないです。ジェローデルもただの部下だし…これは2001宙版でもそうでしたが…
大きな場面としては、「仮面舞踏会(2人の出会い)」「逢い引き@輿入れ16年目」「メルシー伯爵の説得」「グスタフ3世に謁見」「牢獄」といったところでしょうか。あとはコマギレにちょこちょこと。元の話を知っているから展開がわかりますが、一応セリフで展開の説明はあるのですけど、目に入らないので印象に残らない。のでよくわからない。…という観客さんが量産されるのではないかと思うのですが。ベルばらのストーリーを知らないタカラヅカ観劇者(?)はモグリだ! などといわんばかりのつくりではございませんか。
…このまま韓国行くのでしょうかね。
「逢い引き」の場面は、心情表現ダンスの場面があって、まるでミュージカルのようでした(ミュージカルですよ…)。でも、幻想チックな雰囲気がなくてですね…。こういう場面では、周囲に心情表現ダンサーズが出て来ても「2人っきりの愛の世界」が強く伝わってこなければいけないのだと思うのですが、この場面では何故か「なにしに出てきたのだ感」がうっすら漂ってしまった気がします。心情表現ダンスinベルばらに慣れていないから違和感を感じるのでしょうか。それとも全ツの舞台が安っぽいから(ヒィー)なのかしら。
文句ばっかりになってしまいましたけど、随所に笑いのツボがあふれる楽しい公演でしたよ。
こんな楽しみ方したくないのだけど(自称ピュアファンですから・笑)、でも楽しいのだから仕方ない。いっそギャグにしてしまってはどうかと思います。
フェルゼン、わたるさん。わたるさんは何しても楽しい方ですけど、今回は本当に楽しかった…本宮ひろしがべるばら描いているような感じでした。あ、すいません。私はそんなわたるさんが大好きです。でも違和感は序盤だけで、すぐひきこまれてしまうのがサスガなところです。メルシー伯に説得されるとき、ハイヒールを履いている(ブーツではない)のが好感度up。「まさかキミ、おいらのことを…」とオスカルに自己申告する場面は…何でしょうかアレは。オトコマエはそんなことしません! 解っているのかシンジ先生。髪型がとてもステキでした。
マリー・アントワネット、白羽さん。かわいいぞ~! しかも華やかなのですよ。うっとり。セリフがたまに聞き取りにくいのと、何故かたまにブレンダ調になってしまうので、牢獄の場面で(私が)少々注意力散漫になってしまったのですけど…おおう…。ドレス姿がとにかく良かったなぁ~。わたるさんとの並びもお似合いでしたよ。
アンドレ立樹さん、オスカル涼さんは前述の通り。お似合いカップルでした~。
あとはロザリー琴さん。健気でかわいかったですな! 飛び出すフェルゼンをがっちりガードする姿がツボです。フェルゼンの脚に、文字通り絡み付いていらっしゃいました。放しはしませんぞオーラがステキでした。それにしても、場面あれだけなのねぇ~。あれだけでは、何故牢獄でベルナールとロザリーが出てくるのか、全く解らないではないですか。うーん。
「ソウル・オブ・シバ」。
東宝で見たときは、ウェ~ビ~ヘア~の、まるでギリシャ神話に出てくる美青年のような安蘭さん(ちょっと褒め称えすぎですか)に心奪われて終わったのですけれども。
今回は哀愁漂うナイスガイ立樹さんに心奪われて終わりました。
何何! 何なのあのステキオーラは!!?
私は立樹さんの歌声が大好きなのでございます…
雪組風で朗々発声(?)なのですけど、ヘンなコブシがなく聴きやすいのですよ。王家のビデオも、立樹さん歌唱場面ばかり繰り返し見てしまうほどなのです。
そんな立樹さんの歌が沢山聴けて大満足でございます…
内容としては、まあ、こんなものかなという感じなのですが(すいませんね)、フィナーレのトップコンビダンスは印象的でしたね! 落としたハンカチをわたるさんのポケットにつっこむ白羽さん。このシチュエーションが示す意味は何なのだ……。…えーとともかく、醸し出す幸せオーラに酔わされたのでした。