* 宙組 / 和央ようか・花總まり / 宝塚大劇場 / 2005-01
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明るく陽気なホテル再建物語。
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破綻はないが盛り上がりに少々欠ける…のが正塚先生の常道ではありますが(偉そうにすみませんね)今回もそんな感じです。でも暗くならず、随所に笑いありな物語はお正月にふさわしいのではないかい。…そうかな? …ともかくなかなか楽しめるお話でございました。
色々と都合良すぎる展開なのですが、物語(+宝塚)ですからね!
海岸の高級リゾートホテル「ステラマリス」が舞台です。
高級で高級で昔は名門ホテルだったのですが、今はお客が減ってしまって経営が苦しいのです。従業員はわんさかいて、皆さんお仕事にやる気や情熱はあるのですが、それだけじゃこの不景気の時代やっていけねぇんだよぅ~…というわけで経営コンサルタントのお力を借りるしかない、というお話でございます。
で、結局は
派遣されてきた経営コンサルタントはイケメン(笑)だった
↓
ホテルの社長令嬢は恋に落ちてしまった
↓
恋人を手に入れホテルは持ち直してうはうはのお嬢さま
という結末でございます。ああなんてことだ。
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ウィリアム・オダネル(和央さん)
アダムズ・ファイナンスのエリート社員です。愛称はビルです。
へっぽこ企業の建て直しを生業としている…のだと思います。エリートなのでエリート社員にふさわしい恋人がおります。アリソン(彩乃さん)です。ステラマリスの再建を成功させれば、アリソン父に結婚を認めてもらえるとのことで、ビルは張り切ります。
最初は非情なエリート社員として、血も涙もない改革を断行しようとするビルでしたが、ホテル従業員や社長のあたたかい人柄に触れ、情がわいてしまったようです。
ラフ~なスーツ姿がステキなビルさんです。
そして、ホテルの副支配人として制服(?)ご着用の姿もステキです。和央さんのスーツ姿、たまりませんなぁ~。明るい色の髪もステキです。
今回はトップのお2人がラブラブする場面があまりなくて、一体いつフォーリンラブしたのだ、という感じだったので新鮮でした。最後の海岸でデュエットダンスの場面、くらいですかね…。
ステイシー・ランカスター(花總さん)
ホテルの社長のお嬢さん。従業員もやってます。いつの間にやらビルのことを好きになっていました。最初からくっつくのだろうなと思う方もおありでしょうが最初はそういう設定ではないのですよ念のため。
ステイシーにはアレン(水さん)という親が決めた婚約者がおります。でも、ステイシーはアレンと結婚したいわ~とは思っていなかったようです(涙)。アレンもそのことは気付いていて、ビルを見つめるときに目がハートになっているステイシー(誇張しすぎました)を見かねて、ステイシーの気持ちを後押しするのです。っか~~、泣けるぜ。
ホテル売却の話がなくなったとき、嬉しさのあまりアリソンが居る前でビルに抱きついてしまうステイシーには、冷や汗ものでございました。天然ちゃんって恐ろしいわ(笑) アリソンが出来た人で本当に良かったと思います。
制服やらドレス姿やら…。かわいいです。
個人的には貴重なハナミズ(美しくない響きですみませんね)が見られてとても嬉しかったですな。「聖なる星の奇蹟」でもとても好きだったので。ステイシーの涙を拭こうとするアレンにドキドキです。いいことづくしでうらやましいなぁ、トップスターって良いなぁ、と思いました(笑)
アレン・ケンドール(水さん)
ホテルの支配人。サーファーだそうです。あとでパンフみて知りました。だってお話の中では、サーフィンの格好でおどけている(ようにしか見えなかった)ところしかアピールが無いのだもの! …波乗りミズさん、とても楽しいです。
ステイシーの婚約者です。結婚したいと思っています。でもステイシーにはどうもその気がなさそうです。で、恋のライバル登場。アレンは太刀打ちできないと悟り(そりゃあね…)、そしてステイシーの幸せを第一に願う彼は、「ビルの元へ行け!」とステイシーに告げます。それでもためらうステイシーに、
「後悔の気持ちを残したままで、オレの隣に座るな!」
と…。ううう、漢ですぜ奴は!
どうでもいいですが、花總さんとミズさんが丁寧語でなくタメ語(と言うのでしょうか?)で会話しているのは新鮮です。
報われない~! 寂しい~!
ですが、支配人だけあって出番が多いのでとても堪能できます。
支配人…。ミズさんもこういう役をやるようになったのね。感慨深いです。客への対応の仕方については、どうなのかと思う場面もありましたが、ミズさんだから何されても良いや(笑)
お芝居の序盤、回想シーンの場面があるのですが、そこで彩乃さんと少し絡むところが私の癒されポイントです。涙。
あと最後にアリソンがホテルから去るところで、
「お会いできて幸せでした」
みたいなことをアレンがアリソンに言うのですが、……泣けます。
そのうち本当に泣いてしまいそうだわ。
ガイ・プレスコット(大和さん)、リンドン・マクレモア(悠未さん)
ガイは、ホテルの客です。
…実は、ハンターなんです。
……実は、ホテルのドアマンであるリンドンは殺人犯で、ガイはリンドンを追ってホテルにやってきたのです。
すごい設定ですな。
リンドンは外科医で、病に苦しむ妻を見かねて安楽死させたというのが真相のようです。このことは従業員皆が知っていて、ガイは皆に囲まれ引き止められます。
安易にこういう設定を持ち出すのが正塚先生らしいですな…。何というか物語に深みを出すには良い方法なのかもしれませんが、皆が皆、自首をすすめず逃げることをすすめるのって、通常ありえるのでしょうかね。はぐれ刑事純情派に出てきそうなパターンです。事情はあれど罪は罪ですから…。人情に厚いといっても何かが違う気がするのですが。
というわけで、ガイのとった行動(腕の良い弁護士をつけてやる!)は良かったのではないかと思います。
で、ガイさん。明るく陽気なハンターなのです。銀橋で陶酔しつつ歌う場面が魅せ場です。
♪ 人呼んで、ナチュラル・ボーイ・ハンター…(意味がわからない)
ちなみに老後は考えていないそうです。
リンドンさん、ドアマンの扮装がとても格好良いです。
アリソン・オーウェル(彩乃さん)
ビルの婚約者です。エリート社員の恋人にふさわしく、三高思考です(古くさい表現かしら)。デキル男大好きなのです。そして、彼女の父もデキル男を婿に望んでいるみたいです。恐ろしい家庭ですな。
彼女は大人な女性なので、ビルの気持ちが自分とは違う方向に進んでいっていることを悟り、静かに去っていきます。こういう場合、嫉妬に狂ってぎゃんぎゃんわめくキャラもありがちですが、アリソンはそんな女性ではありませんでした。
別れ際、ステイシーへの別れの挨拶が印象的です。
出番が少なく歌もないのでちょっと寂しいですな…
和央さんとのラブシーンはとても新鮮です。ここ数年、和央さんが花總さん以外の娘役さんとラブシーンを演じることってなかったのではないでしょうかドキドキ。
大人っぽくてしっとりした雰囲気でした。
モーリス(未沙さん)。ホテルの社長さん。正塚先生のお芝居では欠かせぬキャラになってきている(笑)
マクファーソン教授(すっしーさん)。海洋学者。またまたコミカルな、でもホテルの窮地を救う重要な役どころ。アマガッパ姿がステキです(笑)
コックさん(遼河さん)。コック姿に赤いスカーフがステキです。冷蔵庫をいっぱいにすることに命をかけている…のでしょうか?
従業員の皆さん。そのうちステラマリス・制服コレクションでもやりたいわね…(笑) ギャルソンのお衣装が大好きです。制服、いいなぁ…(怪しい発言)従業員食堂でくつろいでいる従業員さんも、いいなあ。
ショートカットな娘さんたちが多めで嬉しかったです。舞風さん、音乃さんなど。いいなぁーでれでれ。
彩苑さん、歌の場面があったのが嬉しかった! 最近出番が少なめでさびしかったので。
初嶺さん、1人赤いジャケットで目立っていたので見つけやすかったです。髪が黒っぽいのも久々なような。スカⅡの名残かしら。途中の鬼気迫る歌場面(ホテルの危機のときかなあ…)では、なんとソロまであったので、お姉さんはもうドッキドキ。
月丘さんにやる気がみなぎっていて嬉しかったなぁ…衣装が良かったからかな(笑) ガイとリンドンが再登場する場面では、何故か月丘さんまで再登場して「戻ってきたぞ!」というセリフまでもらっていてしかもどぎつい色(緑)のスーツをお召しでした。幸せ(笑)
出雲さんと貴柳さんがいつもつるんで移動していて微笑ましかった(?)です。貴柳さんのお姉さんっぷりがステキでした…。何故あんなにバニーにこだわっていたのかは謎。実はやりたかったのでしょうおそらく(笑)
十輝さんは何の役だったのかよくわからなかったのですが(白衣着ていたので…専属のお医者さんとか?)、何やら叫んで目立っていました。彼も正塚先生にギャグキャラを見出されたのでしょうかね。
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幕開き、在りし日(今もあるのだが)のステラマリスの舞踏会の場面があるのですが、その場面が好きです。
ミズさん、和さん、早霧さんがタップダンスを披露するところが好きですな。
また見る予定ですので言い足りないところは追々。