* 山口祐一郎・今拓哉 ほか / 帝国劇場 / 2005-04
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ビクトル・ユーゴー原作。
圧倒されっぱなしで最後は大泣き。素晴らしい舞台でした。
しばらく宝塚予定がなかったこともあり、どうも現実逃避したい気分だったこともあり(何があったんだ~)。そんな折、運良くチケットを入手できたので行ってまいりました。
この作品、何度も再演されていて一度は見てみたかったのですよ。原作は読んだことないので予備知識はなく、今回はただ「今さんを見るのだ!」という少々不純な動機が大きかったのでした。
まず衝撃的だったのは、おっさん物語だったということです(笑)。宝塚に慣れきっている身には新鮮だったということですね。でも小説などではこういうおっさん大河物語は好んで読んでいるので、全く問題ナシでした。
あとは、皆さんカツラ着用なのね…ということ。髪ワザ大好きな私としては、パンフのカツラオンパレード(古くさい表現)を見た時点でテンションがちょっと下がってしまったのですが(せめてチラシぐらい見なさいよという話なんですが)、舞台が始まったらそんなこと言っていられなくなりましたよ! 初っ端から物語にぐい~っと引き込まれて、ただただ感動していたら終わってしまった感じでした。今さんに関しては、最初は「なんじゃそのモミアゲは!」と思ってしまったのですが、それも最初だけで、あのサラサラヘア~がたまらなかったですな! 最後の落武者みたいな髪型は、「ん?」でしたが!
物語はというと、かなりやるせない内容でしたな…。「泣け!ポイント」が随所にちりばめられておりました。次々亡くなっていく人々。悪い人ではないのに(悪人は死んでよいと言っているわけではありませんよ)。子供が死ぬ場面は特につらいですなぁ。
ラスト、マリウスとコゼットが幸せになれたのが救いですね。
普通のセリフはほとんどなく、ホントに全部歌でつづられていくのですね~。その歌のレベルの高さにまず圧倒されてしまいます。山口さんはさすがに上手いですね。鈴木綜馬さんになんとなく歌い方が似ているような印象。同じ四季出身者だからでしょうか。
ともかく「今さんステキだ!」と主張したい。
歌声がまた格好良いのですよ! 冷徹な警察官の役なので、ずーーっと冷たい表情をしているのですが。そういえば今さんの笑顔ってあまり見たことないなぁ…。前回見たのはエリザベートのエルマーですし、笑顔を見せる役ではなかったですしねぇ。
一番強烈に「ステキー!!」(黄色い声)と感じたのは、カーテンコールのときですね。客席に片手で手を振ってくださったのですが、手をひらひら~と振るのではなく、左手をバッと広げて止めるだけなのですよ! じゃんけんしているみたいに、ただ「パー!」「パー!」と出しているような感じ。(←伝わるかしら) ああもう、たまりません~
物語最後の、入水自殺のときはちょっと…。もごもご。ゴロゴロ転がって退場なのですね。あまり目を凝らして見るものではなかったな~と思いましたが!(笑) かわいそうなジャベール。強い信念を持っているのって、つらいことなのねぇ。
エポニーヌの坂本真綾さん。この方の歌に泣かされましたな…。切ない。そしてやたら良い娘さんなのですよ。あんなとんでもない両親から、なんでこんな良い子が生まれてきたのか不思議なところではあります(笑)。
マリウスの藤岡さん。顔が誰かに似ているなぁ~と思ったら、ゆみこ氏に似ているんですよ。同意して下さる方は少ないかもしれませんが。口の開く方向とか色々。童顔だからか、とても若い印象があって、爽やか君でした。
コゼットの知念さん。かわいい~。かわいいぞ! 離れ目好きにはたまらん配置であります。ほんわか~とした雰囲気が役にあっていて良かったですな。演技はうまいのか何なのかよくわかりませんでしたが(もごもご)とにかくかわいかった~。
フォンテーヌの井科さん。儚げな雰囲気が、切ない…。娘さんは幸せになれてよかったですなぁ。
エポニーヌの両親。どんよりな話に明るい笑いを…。たまに本気で憎らしくなりましたが!(笑) 森さんのこの持ち味は貴重ですなぁ。ころんと転がっているだけで笑えますものねぇ。
今だ脳内で曲がぐるぐる回っております。
岡さんジャベールと、岡田さんマリウスが見たい! B席ならまだ取れるかなぁ。