“しかくいほしのしかくじん”
日にちが経ってしまいましたが、先日の本拠地(?)紀行についてメモをば。
ネタバレあり、且つ、和さんファン視点ですので、心して(笑)どうぞ。
さて、星組新人公演「愛するには短すぎる」についてですよ。
何が短いんだ? 帯か? タスキか? なんてつまらない冗談は置いておきますが。簡単そうでいて覚えにくいタイトルですね…。実際、見るまでお芝居のタイトルもショーのタイトルもどちらも記憶していなかったという私でしたが、作品見て、ようやくタイトルを知り、そして記憶することができました。ああ、こういう意味だったのかと。
今まで慣れ親しんできたのが宙組なので、ウチで大切に大切に育てた我が子の成長を見届けねばという迷惑な親心に駆られて遠征してしまいました。
単に、和さんのファンである、というのが真相でありますが。
観劇しての第一印象:
本当、まっすぐな人なんだなあ…。
ヒネるということをしないのですな。まっすぐ、ただ素直に。
そう考えると、今回の役は和さんにとっては新たな挑戦だったのかなあ、と思います。なにせ本家のわたるさんは立っているだけで面白い人だし(笑)、細かい間とか動きとか、イントネーションとかで観客を楽しませるワザがあります。その点和さんは、感情こもったいい演技をするのだけど、おそらくそれだけでは足りない。もうちょっとだけ、ワザを身につけたら劇的にかわるんじゃないかと思います。
今のまっすぐましかくな和さんが変わってしまうのも残念なのですが…(笑)。
ですから、今回で一番和さんの持ち味が出ていたのは、ラストにバーバラ(陽月さん)と別れる場面の
「幸せになれよぉーーー!」
なんです。
ぐっときた。泣けました。魂に響いた。好きなのに別れなければいけない悲痛な想いが、痛いほど伝わってきたのでした。実は、本公演では
「何故あそこで別れるのだ! 何もかも捨てて女を追いかけてこそタカラヅカでしょう!」
なとど、勝手極まりない感想を友人にぶつけていたのですが(笑)、新人公演を見て、その心情を理解できたように思います。
バーバラに対する想いと、育ててくれた義理の父に対する恩義と。
素直に、そしてとても不器用に思い悩んで決断したフレッド(和さん)の姿に、私は感動しました…。演じる和さんが不器用なだけに(ファンですってば)、そして陽月嬢のバーバラとのやりとりが自然で素直で、新公の方がフレッドへの共感は大きかったです。共感が大きいっていうのかな? 強い、かしら? ううむ日本語は難しい。こんなこと言ってますが、勿論本公も素晴らしかったのですよ! 演じる人によってこうも違うのだなあ、と改めて感じたのでございます。
そんな和さんも、場をさらいまくった爆笑場面がございまして。
バーバラとの昼食で、アンソニー(彩海さん)がバーバラに対してやたらにしつこいのにイライラして、冗談めかして会話に割り込む場面があるのですが、そこで端正なお顔がとんでもないお顔に豹変しました。
「一体どうしちゃったのか?」
と本気で心配になりましたが、そのまま普通に舞台は続いたので安心しました。客席の笑い声が、かなり後をひいていたのが印象的でした。おそらく、皆さん衝撃をうけたのだと思われます。
和さん頑張ったのだろうなあと、ほのぼのと感じた場面でございました(笑)。
さて、周囲を固める強力なメンバー、陽月華嬢と彩海早矢氏。
うまい。うますぎる。
ウメ嬢は正塚芝居にとても合いますね。「うん」とか「ええ」とか、そんなさりげない(そしてやりにくそう~な)セリフでさえ、サラリと魅せてくれます。
彩海氏も、上手い。本役の安蘭さんに、沢山教えてもらったんだなあ、いいなあと。間の取り方とか、表情とか動きとか、観客の笑いを誘うのがとても上手かったですな。
執事さんの鶴美氏は、ボソッとつぶやいたり、無表情で立っていたりという些細な部分までとても良い味を出しておりましたな。
そして、たまに(いや始終)(いやいやいやいや)押され気味の、支えられまくる主役の姿に涙がこみあげました。何の涙か私にはわからない。
そして爽やかに終幕、挨拶も、素直でまっすぐな、良い挨拶でした。星組の皆さん、あたたかく迎えてくだすって本当にありがとう…! これからもよろしくお願いいたします (勝手+メイワクな親心をここでも発揮)
結局私は、終幕後にカーテンコールを待たずさっさと退散するつもりが、席を離れられず最後まで見届けてしまいました。終電あやうかったですが、乗り換えでゼーゼーしながらも、行ってよかった!
新人公演、何度見ても、いいなあ~と思います。若さがあふれているのが良い。…はっ、これでは自分が若くないと認めているようなコメントではないですかっ。
まあでも、私の新人公演遠征は、今回で終わりですかね。
東京で見られる自信がないために(争奪戦に勝てる気がしないのであります)、和さんと柊さん目当てで数回遠征したわけですが、和さんこれで卒業ですし。
まあ、春風氏のために行ってしまう可能性はなきにしもあらずですが(ボソ)
今回こっそり感じたことは、和さんで、時代もので悲恋ものとか、とにかく叫びまくる作品(どんなだ)を見てみたいなあということです。軽快な現代ものでしたら、「琥珀色の雨にぬれて」みたいな感じのやつがいいなぁ~。あれ、これ軽快でも現代ものでもないような。ともかく、主役がぼーっとしたおぼっちゃまで、お姉さまにクラリといくようなやつが見たいですな。
個人的嗜好を主張しすぎですかね