帝国劇場「エリザベート」のメモ。
エリザベート:朝海さん、トート:武田さん、フランツ:鈴木さん、ゾフィー:寿さん、ルドルフ:浦井くん
今回、シシィが新キャストということで、わくわくと張り切っていって参りました~。武田さんの初日だったようで、最後に挨拶があってラッキーでした♪ 見る前は全く気付いておりませんでしたが!
フランツとシシィのお見合いの場面、ちょっと変更されてましたかね? オリジナル版(ウィーン版)の展開が取り入れられていたような。「自由に生きていくのよ~」と。自分の記憶はまるで信用ならないので自信はないのですが。
キャストについて。
エリザベート、朝海さん、1幕より2幕が良かったですなあ~。あの冷ややかな感じが…(笑)。歌も2幕の晩年になってからのほうが合っておりましたかね。最初はなんだかとってもかわいらしい声で、椅子に座ってられな~いとか思いました。なんかもぞもぞしちゃった。たからづか時代は、カオに似合わず野太いお声でしたからな…(笑)。ビジュアルはキレイでしたね。もうちょっと書き込んでもいいかなとも思いましたが。歌は…予想を超えてました! 相当練習されたのでしょうね!! アンシア(…いつの話?)みたいなのかと思ってました…。うう、でもやっぱり、周囲の方(特にフランツ、ルキーニ、ゾフィー…)が回数こなされている上に相当上手いので、それと比べちゃうとちょっとつらかったですかね…。声が安定していなかった(声が高かったり低かったり…)というのが、なんだか落ち着かなかったですね。雨唄のホクショーさんリナのときも思いましたが、キャラがつかみきれずどうも入り込めないのです。まあ、前半の声はムリして出しているのだなあと思うと逆に安心しましたけども(笑)
トート、武田さん。2006年にみたときは、「ぐおーきついぜ」と思ったのですが(笑)、今回の上達っぷりときたら! 滅茶苦茶良かったです!! まあでもそんなには上手くないんですけど(笑)、これはクセになりますぜ…!! あえていうならタニちゃん並みです(この表現で発言の真意がちゃんとお伝えできるか疑問ですが) 何といいますか、何となくいたたまれないんだけど見守らずには居られないという強固なオーラを彼は身に付けたと思います。あれ、ちゃんとホメ言葉になっているかしら。最後のダンス他の、「ボクちゃんの言うこと聞けよ!」みたいなダダっ子そぶりがたまらない…。カーテンコールのときの高速手振りが見事でした。
ルドルフの浦井くん。…観劇後、同行のTさんと私の最初の会話は、「浦井くん太ったよね?」……でございました。あごのあたりのもたつき加減が、あきらかにウェイトアップを感じさせます。軍服もむちむちですし。……まずい、私の琴線(←?)直撃です…。うっかり太ってしまったイケメンという図。歌声も良いし、マユと目の間が近いことすらかわいく思えてきました(ごめんなさい怒らないでください)。確か、2006年版も浦井くんルドルフを見た気がするのだけど、当時はここまで私の気持ちは盛り上がらなかったはずです。何故今回こんなに心乱れるのか…それはやはり、彼がプニ化したからなのですか…、そうなのですか!(誰に問いかけているのか) まあ公演期間中にまた絞られていくのでしょう。近いうちに再観劇を試みるべきでしょうか、プニ解消しないうちに
他のキャスト。ゾフィーの寿さん、ルキーニの高島さん。上手すぎて何を言ってよいのやら、です。ミルクの場面は、たからづか版ではトート中心ですけど、東宝版はルキーニが中心なのですよね。この場面好きです。腹空かせひもじいオレたちが、妙に激しく踊りだすのが毎回ツボです。それだけ怒っているということか。
フランツの鈴木さんも上手いです。東宝版は、たからづか版と比べるとダメ男ぶりが目立ちませんねえ(笑)。酒池肉林…じゃなかった、鳥と魚の場面が無いのもあるのかしら~。シシィ父の村井さん。毎回とても楽しみなおじ様。存在感が素晴らしいですね。シシィのお姉さん役で、南海まりちゃん出演! マダムヴォルフの場面では、しっかりお色気スタイルでご登場されてましたぞ。ばっちりオペラでキャッチしました。眼福じゃ、ほくほく。あと久路あかりさんも出演! 久々にお姿見ましたわー。舞台続けているのですねえ。
ここからは勝手な解釈で突き進みます。
相手に対して「1枚カベを隔てたところに存在している」みたいな印象を、朝海さんについて持っていまして…。今回特に、助けを求めるルドルフに対するシシィを見て、「ああ、コムちゃんらしいなあ」と思ったのですよ。ルドルフは必死に母にすがっているのに、母の心は遠いところにある。…でもこの場面、それだけではないと思うのですよ。母の心の奥底は、決して突き放したくはないはずなのです。そこが見えてくると、もっと良いのになあと思いました。他(戻りますが)、フランツに「最後通告」を突きつけたあと、にゅ~と出てくるトートに身を任せそうになる場面。そして、フランツの浮気を知ってしまった場面。ああ、願わくばもうちょっと、エモーショナルにプリーズ! 見ているほうもガツンと突き動かされたいのよねえ…。「奥底の感情」がもうちょっと伝わってくるといいのになあ、と観ている私は勝手に考えたのであります。
エリザベートは、過去の役者さんがすごいですから期待も大きいのですよ…。愛ゆえの発言ということでご容赦を。